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第3話 悪役令嬢というにはキャラが濃すぎませんこと?

Author: エスツー
last update Last Updated: 2025-07-18 11:10:22

 △△(side:リリアーゼ)

「ロゼ、コーヒー」

「はい、アーゼちゃん」

 魔石に秘められた魔力を消費する事でポット型の魔道具からお湯がカップに注がれてやっすい原価のコーヒーが完成しましたわ。

 この世界、原作にあたる乙女ゲームでは中世ヨーロッパ風という世界観なのにも関わらず、魔道具を始めとする技術の発展によって地球と比べてもそう悪くない生活環境が整っていますの。

 ほんと都合がいいですわね。

 まぁ便利ならそれに越した事はありませんけれど。

「ふぅ……」

 熱すぎず、適温に保たれたコーヒーを一気に飲み干す。

 するとすぐに隣に座らせたロゼ色の髪と瞳をしたメイドの少女、ロゼがお代わりを注いでくれますの。

 添えられた安物のスコーンをボリボリと頬張りつつ、わたくしはロゼの顔に目を向けて昨日の夜を思い返していましたわ。

 結論。

 控えめにいって最も高い。

 最高でしたわ。

 『枕』にするという名目でわたくし達はお互い下着姿で抱き合いながらベッドを共にした訳ですが、昨夜は情欲が沸るあまり、3度も◯慰を致してしまいましたわ。

 既に寝入っていたロゼの手を取って使··事も考えたのですけれど、多幸感のあまり脳が焼き切れてしまいそうな気がしたので断念した次第でありますの。

 これほどまでに脳汁がドバドバ分泌されたのは、わたくしのこの長い2本の指でアクアルお姉様の純潔をぶち抜いて以来ですわね。

 いえ、あの時は憎い相手を制裁した事によるざまぁ補正もあった事を加味すれば、ロゼと一緒に寝た(睡眠)事による幸福度合いの方が遥かに上だと言えますの。

 これで彼女とキスしたり、その控えめな乳房を揉みしだいたり、それ以上の事をしたらどうなってしまうのでしょう?

 ……いずれこの先の快楽を味わう為にもじっくり慣らしていく必要がありますわね。

「さて……」

 欲望を満たすのは大事な事ではあれど、それは命あっての物なのですわ。

 今後の未来の為にわたくしはノートを机の上に広げます。

 ここに前世でプレイした乙女ゲームの情報を書き記す事でこれからのわたくし達に訪れるであろう死亡フラグをへし折る対策を立てますの。

 まずはこの世界の元となっているゲームのタイトル『ふぉーちゅん☆みらくるっ!』。

 通称『ふぉーみら』。

 これは聖女見習いである元平民の伯爵令嬢シャルロット・アンサムがキングダム王国の王都シュトーにあるフォーチュン学園で攻略対象の美少年達と交流し愛を育む、RPG色の強い乙女ゲームとなっていますわ。

 これだけならなんて事ない普通の凡ゲーで終わってたでしょうが、前世ではとある理由からSNS上でバズり、のちにPC専用の18禁版まで発売されていたりしますのよ?

 まぁ、そのバズった主な要因が原作で悪役令嬢を務めていたこのわたくし、子爵令嬢リリアーゼ・バレスチカ(公式人気投票第1位)だったりするのですけれど。

 日本人としての記憶と感性が戻った事である程度客観的に自分を見つめる事ができるようになったわたくしですが、リリアーゼはとにかく強烈なキャラクターでしたわ。

 まず前情報として、リリアーゼとシャルロット(公式人気投票第2位)は同クラスの王太子(公式人気投票第3位)の婚約者候補だったりしますの。

 ですがリリアーゼは乙女ゲーにありがちなライバルであるシャルロットを蹴落とす為に彼女を虐める令嬢という訳でもなく、むしろ見目の良い彼女を自分の物にしようと迫ったりするかなり異色のキャラクターでしたわ。

 自分で言うのもなんですが、わたくし男性より女性の方が好きですものね。

 じゃあ、シャルロットを堕とす為に犯罪まがいの事をして断罪されるのかと言えばそうでもなく、普通に周りの恨みを買いまくった結果、断罪され投獄される羽目になりますの。

 その理由を上げていくとすればまず、フォーチュン学園では高位の貴族であっても従者を連れていく事は許されていないのですけれど、リリアーゼは己の持つ圧倒的な武力を持って学園を脅し、そして自分のお気に入りであるロゼ(公式人気投票第4位)を無理矢理学園にねじ込みましたわ。

 これだけで既にやべぇ気がしますけれど、それに加えて昨日までやっていたようにロゼを椅子代わりにして令息令嬢に見せつけて自慢?していたのですからかなーりヤバヤバですわね。

 にしても仮にも乙女ゲームだというのに公式人気投票の第4位までに男性キャラクターが王太子一人しか入ってないというのもどうなんですの?

 ……それはさておき、こう言った事もあってリリアーゼは生徒達から顰蹙を買い、嫌がらせを受けるようになったのですけれど、そんな彼女は嫌がらせをしていた連中を突き止めると、令息はぶち◯し、令嬢はぶち◯す事で対処してましたわ。

 ◯にはそれぞれ別の文字が入るのですけど、一体何をしてたのでしょうね?

 まぁ、のちの18禁版では令嬢達を◯してるシーンもバッチリ描写されているので興味のある方は是非購入をご検討くださいな。

 乙女ゲームなんだから百合乱暴(控えめな表現)シーンより攻略対象とのセッ◯◯シーンを充実させろって気もしますけれど、こっちの方が人気あったのだから仕方ありませんわね。

 ちなみに攻略対象とのセッ◯◯シーンではシャルロットの年齢の割に妖艶で美しい肢体がこれでもかと描かれていましたわ。

 元は乙女ゲームなのに18禁版は完全に男性向けになってる気もしますけれど、眼福だからオーケーですの。

 あと、余談ですが前世のわたくし、ようは中の人とでもいうべき存在は傲慢で残虐なリリアーゼの事を嫌っていたのですけれど、『ふぉーみら』をおかずに◯慰する際は決まってリリアーゼに令嬢達(シャルロット含む)が責められるシーンを使ってましたわ。

 わたくしの美貌は自他共に認めるところですが、流石に自分をおかずにして致す趣味はございませんことよ?

 こういった事もあり、わたくしの中でリリアーゼと中の人は完全に別人だという認識ができていた為、前世の記憶が蘇ってもわたくしの人格に影響を及ぼす事がなかったのかもしれませんわね。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 リリアーゼの中の人もとい前世はちゃんとイケメン目当てで『ふぉーちゅん☆みらくるっ!』を購入しています。

 ただ性癖を破壊されて百合乱暴(控えめな表現)にハマってしまっただけなんです。

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     結局グラントお父様へのご挨拶はアクアルお姉様からの提案で、ダンジョンに修行に行っていたわたくし達3人だけでなく、グレンお兄様とマリアお母様もご一緒する事になりましたわ。  人数が増えたので面会は執務室ではなく食堂でお茶でもしばきながら行う事になりましたの。 わたくしとしてもそっちの方が肩肘張らなくて済むからよきですわね。  ◇  部屋で少し休息をとった後で食堂に行く道すがらロゼとお姉様と合流、そのまま食堂に入室するとお兄様とお母様、そして黒髪黒目で髭を綺麗に切り揃えた軍服の上から黒のコートを羽織った偉丈夫、グラントお父様が家令のスバセが淹れたやっすい原価のコーヒーを啜ってましたわ。 わたくし達の入室に気付いたお父様は席を立つと大柄な体格に見合わぬ無駄のない動きでまっすぐこちらまでやってきましたの。  お父様はわたくしの父なだけあってかなりのイケオジですけれど、軍服を押し上げる程に盛られた筋肉と、お兄様の1.5倍はある肩幅、無愛想な目つきも相まって中々に迫力がありますわね。「ご機嫌よう、お父様」 「久しぶりね、父さん」 「ご無沙汰してます、御当主様」「うむ、3人とも見違えたな。それでこそ我がバレスチカ家の一員よ」 それぞれの挨拶に対して深く頷くお父様。  バレスチカ家至上主義、バレスチカファーストを信条としている彼にとって、こうしてダンジョンから帰還したわたくし達の成長をその目にするのが嬉しいのでしょう。 立ち振る舞いだけを見るなら立派な当主にしか見えないお父様ですけれど、実際には中々にやべーやつですの。  何せ原作ゲームの『ふぉーみら』において彼は投獄されたわたくしを救い出す際、自分が団長として手塩をかけて育ててきた騎士団員を全員、ついでに陛下を容赦なくぶち◯してますものね。 彼が四天王(3人)としてシャルロット達と相対した時の会話でのキレっぷりも相当アレで、ユーザーからはキチ親父と呼ばれてましたわ。 バレスチカファースト、ここに極まれりですの。  わたくしが原作でのお父様の事を回想してる間にお父様はお姉様と向き合ってましたわ。  何か仰りたい事でもあるのかしら。「強くなったなアクアルよ。冒険者協会には我からSランク昇格試験への推薦状を出しておこう」「私が父さんと同じSランクに……?」「うむ。戦いの経験値さえ除けば今の貴

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